オンライン・カウンセリング《輝き》

　不登校のお子さんを持つ親御さんにとって、最も重要なことは、お子さんの気持ちに寄り添うことです。しかし、現実には、寄り添えていると感じる親御さんとそうでない親御さんがいます。その違いはどこにあるのでしょうか？

　寄り添える親は、子どもの気持ちを受け止め、共感し、共に解決策を探ろうとする姿勢を持つのに対し、寄り添えない親は、子どもの気持ちを理解しようとせず、自分の価値観や期待を押し付ける傾向があります。

　なぜなら、寄り添える親は、子どもの行動の背景にある感情やニーズを理解しようと努める一方、寄り添えない親は、子どもの行動そのものに焦点を当て、非難したり、解決策を一方的に押し付けたりするからです。

　例えば、〔寄り添える親の場合〕

　事例 1： A 子さんの母親は、A 子さんが学校に行きたくないと訴えた時、「学校が嫌なんだね。何がそんなに嫌なのかな？一緒に考えてみようか。」と、まず A 子の気持ちを丁寧に聞き出しました。その後、A 子さんと一緒に学校生活について話し合い、担任の先生との面談を通して、A 子さんの不安を取り除くための具体的な対策を立てました。母親は、A 子さんの気持ちを尊重し問題解決に取り組む姿勢を示しました。

　事例 2： B 太郎君の父親は、B 太郎君が不登校になってから、無理強いせず、彼のペースに合わせて過ごしました。父親は、B 太郎君が好きなゲームや読書に付き合ったり、一緒に散歩に出かけたりすることで彼との信頼関係を築きました。そして、B 太郎君が少しずつ学校に行きたいという気持ちを持つようになった段階で、父親は学校に同行したり、担任の先生と連絡を取り合ったりするなど、彼の学校復帰をサポートしました。父親は、B 太郎君の気持ちに寄り添い、彼の成長を温かく見守る姿勢を示しました。

〔寄り添えない親の場合〕

　事例1： C 美さんの母親は、C 美さんが不登校になった時、「学校に行かないなんて、甘えているんじゃないの！しっかりしなさい！」と、C 美さんを厳しく叱責しました。母親は、C 美さんの気持ちを理解しようとせず、自分の期待通りに振る舞わない C 美さんを非難し、学校に行くよう強制しました。この母親の対応は、C 美さんの不安や苦しみをさらに増幅させ、親子関係の悪化につながりました。

　事例2： D 郎君の父親は、D 郎君が不登校になった時、「勉強が遅れるじゃないか！塾に行かせよう！」と、すぐに塾に通わせることを決めました。父親は、D 郎君の気持ちや状況を理解しようとせず、自分の価値観に基づいて解決策を押し付けました。この父親の対応は、D 郎君に余計なプレッシャーを与え、学校に行くことへの抵抗感を強めました。

　不登校のお子さんを持つ親御さんが、お子さんに寄り添えるかどうかは、お子さんの気持ちを受け止め、共感し、一緒に解決策を探ろうとする姿勢を持つことが重要です。一方、お子さんの気持ちを理解しようとせず、自分の価値観や期待を押し付けるような対応は、お子さんの心を傷つけ、親子関係を悪化させる可能性があります。お子さんの気持ちに寄り添うことで、お子さんの成長を促し、健やかな発達をサポートすることができます。

　「親としてどのように子供に接したらよいのかわからない。」「つい自分の考えを押し付けてしまう」など、悩みを抱えている方は、ぜひ相談してください。